映画「ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった」公式サイト » CAST&STAFF

ボブ・ディラン
Bob Dylan

 1941年ミネソタ州ダラス生まれ。ミネソタ大学在学中に音楽活動を始め、60年代前半にフォーク界の新しい旗手として注目を集める。65年にはロックと接近したアルバム『ブリンギング・イット・オールバック・ホーム』が話題を呼び、世界中で最も影響力のあるミュージシャンのひとりとなる。近年は『トリプリケート』(17)のようにスタンダード・ナンバーのアルバムを発表。16年にノーベル文学賞も受賞。映画はドキュメンタリー『ドント・ルック・バック』(67)が作られ、78年にはマーティン・スコセッシ監督の『ラスト・ワルツ』にも出演。スコセッシは『ボブ・ディラン ノ―・ディレクション・ホーム』(05)やネットフィリックス作品『ローリング・サンダー・レヴュー:マーティン・スコセッシが描くボブ・ディラン伝説』(19)も手掛ける。

エリック・クラプトン
Eric Clapton

 1944年英国リプリー生まれ。60年代以降はザ・ヤードバーズ、ザ・クリーム、ブラインド・フェイス、デレク・アンド・ザ・ドミノス等のバンドを経て、ソロ活動を始める。ブルース系ロックの名ギタリストとして日本でも根強い人気を得ている。71年の『いとしのレイラ』(デレク・アンド・ザ・ドミノス時代)、92年のグラミー賞受賞の『ティアーズ・イン・ヘブン』、同じくグラミー賞受賞の96年の『チェンジ・ザ・ワールド』等のヒット曲でも知られる。11年にクラプトンは「最も偉大な100人のギタリスト」(ザ・ローリング・ストーン誌)では第2位に選ばれた。その人生を描いたドキュメンタリー『エリック・クラプトン 12小節の人生』(17)も話題を呼ぶ。映画は『ラスト・ワルツ』(78)にも出演。

ブルース・スプリングスティーン
Bruce Springsteen

 1949年、アメリカのニュージャージー出身。73年にアルバム『アズベリー・パークからの挨拶』でデビュー。75年のアルバム『明日なき暴走』が大評判となり、78年の『闇に吠える街』(78)、『ザ・リバー』(80)といったアルバムも評価される。84年の『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』は全世界で大ヒット・アルバムとなり、アメリカを代表するロック・ミュージシャンとなる。93年には映画『フィラデルフィア』のテーマ曲でアカデミー歌曲賞を受賞。近年も精力的に活動しており、12年の『レッキング・ボール』、14年の『ハイ・ホープス』といったアルバムも人気を得た。18年にはブロードウェイの舞台『スプリングスティーン・ブロードウェイ』でトニー賞受賞。16年に出版した自伝『ボーン・トゥ・ラン:ブルース・スプリングスティーン自伝』(早川書房刊)も話題を呼ぶ。

ヴァン・モリソン
Van Morrison

 1945年アイルランド、ベルファスト生まれ。64年に伝説のバンド、ゼムを作り、『グロリア』などのヒットを生む。67年にソロ・デビューを飾り、『アストラル・ウィークス』(68)、『ムーンダンス』(70)などの傑作アルバムを発表。この2枚は99年にグラミー賞の殿堂入りもはたしている。『ムーンダンス』の後、ウッドストックに住んで、ザ・バンドのメンバーと交流を深める。そのソウルフルな歌声で音楽通をうならせるミュージシャンで、94年にはブリットアワード功労賞受賞。96年には大英帝国勲章も受ける。グラミー賞も何度か受賞。近年もすごいペースでアルバムを作り続ける。ロビー・ロバートソンの19年のアルバム『シネマティック』にも参加。映画は『ラスト・ワルツ』(78)にも出演している。

ジョージ・ハリスン
George Harrison

 1943年イギリスのリヴァプール生まれ。50年代にポール・マッカトニーやジョン・レノンと出会い、クオーリーメンに加入。60年代に世界を変えたザ・ビートルズの前身となる。70年代にグループ解散後はソロ・アルバム『オール・シングス・マスト・パス』が評価され、87年の『クラウド・ナイン』といったアルバムも話題を呼ぶ。自身のレコード・レーベル、ダーク・ホースや映画会社、ハンドメイド・フィルムなども設立。04年にはミュージシャンとしてロックの殿堂入りを果たす。映画は72年に『バングラデシュのコンサート』が話題となり、11年にはマーティン・スコセッシ監督のドキュメンタリー『ジョージ・ハリソン/リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド』が作られた。2001年に肺がんのため、58歳で他界。

ピーター・ガブリエル
Peter Gabriel

1950年、イギリスのサリー州生まれ。70年代はプログレッシヴ・ロックのバンド、ザ・ジェネシスのヴォーカルを担当。75年にグループを脱退し、ソロ活動を始める。80年のアルバム『Ⅲ』には南アフリカの活動家、スティーヴン・ビコを歌った『ビコ』が収録され、注目される。86年の『So』はこの時代を代表するアルバムの1枚となり、『スレッジハンマー』が全米ナンバーワンヒットとなる。映画は『バーディ』(84)や『最後の誘惑』(89)の音楽を担当。後者で組んだマーティン・スコセッシ監督はビデオ作品『PoV』(90)の製作総指揮も担当。08年には『ウォーリー』のテーマ曲でグラミー賞受賞。2010年にはジェネシス名義で、14年にはソロ・ミュージシャンとしてロックの殿堂入りを果たす。

タジ・マハール
Taj Mahal

 1942年、アメリカのニューヨーク生まれ。マサチューセッツ大学で農業と畜産学を学んだ後、音楽活動を始め、ライ・クーダーとライジング・サンズを結成した。68年にはソロ名義のアルバムも発表。69年の『ジャイアント・ステップ/ディ・オール・フォークス・アット・ホーム』で認められる。97年の『セニョール・ブルース』でグラミー賞を獲得。03年にはマーティン・スコセッシが監督した『フィール・ライク・ゴーイング・ホーム』にも参加している。

ロニー・ホーキンス
Ronald Hawkins

 1935年、アメリカのアーカンソー生まれ。52年にザ・バンドの前身となるバンド、ザ・ホークスを結成した。58年ごろからカナダを中心に活動を始め、『メリー・ル―』などのヒットを飛ばし、“ロカビリーの帝王”となる。63年にはボー・ディドリーの『フー・ドゥ・ユー・ラブ』も録音しているが、映画『ラスト・ワルツ』(78)ではザ・バンド(元ザ・ホークス)とこの曲を披露している。アルバムは『ロニー・ホーキンス』(70)、『ザ・ホークス』(71)等も発表。

ダニエル・ロアー/監督、共同編集
Daniel Roher

 自身の会社、ラウド・ロアー・プロダクションでドキュメンタリー映画を作り続けている20代のカナダの新鋭ドキュメンタリー監督。2015年にホットドッグ映画祭で上映された“Survivors Rowe”でカナダ映画賞の候補となる。この作品は少年たちへの虐待が問題視された聖職者、ラルフ・ロウの問題を描いた作品だ。また、16年の”Sourtoe:the Story of the Sorry Cannibal”はリバーラン国際映画祭の短編賞を受賞。17年の“Ghosts of Our Forest”はウガンダの先住民族の土地をめぐる闘いという重要なテーマを扱い、ホットドック映画祭で話題を呼ぶ。18年にはエドムンド・ステイソンと共同監督の”Finding Fukue”を撮り、NSIオンライン短編映画祭の最優秀短編賞を受賞している。物語に対して鋭い視点を持ち、視覚的な表現にもたけたロアーは今回の新作でカナダ映画賞(デジタル作品部門)の監督賞候補となり、今後の活躍が期待されている。

監督のコメント

「両親の影響で初めてザ・バンドの音楽を聴いた時、彼らの音楽にすぐに引き込まれた。彼らのハーモニーには強さと優しさがあり、時代を超えた音楽だった。そして、10代の時、マーティン・スコセッシが監督した『ラスト・ワルツ』を見て、5人の男たちの持つ神話性と伝説にも興味を持ち始めた。彼らはセレブリティでも、ロックスターでもなく、まさにミュージシャンだ。そして、ロビーの自伝が出版された時、僕はすぐに夢中になった。映画化は僕の夢の企画に思え、そのチャンスをつかむためなら、どんなことでもする、と思い始めた。そして、遂にロビーに会えた時、僕のビジョンを語り、毎日、25時間、週に8日間、働くことを誓った。ロビーの物語は“夢の実現”を語っている。トロントの若者が世界に出ていき、さまざまな運命の流れを超え、アーティストとして成功する過程が描かれている。これは僕自身の物語でもある。自分のすべてを表現のために捧げるべきであることをロビーに教えられた。ロビーは妥協を知らず、タフで、すばらしいものを求めていた。そんな彼の精神に導かれながら、作り上げた映画だ。ぜひ、みなさんに楽しんでいただければ、と思っている」

マーティン・スコセッシ/製作総指揮
Martin Scorsese

 1942年、ニューヨークのクイーンズ生まれ。ニューヨーク大学で映画を学び、卒業制作作品『ドアをノックするのは誰?』(67/DVDのみ)が長編デビュー作となる。監督としての出世作はロバート・デ・ニーロと組んだ『ミーン・ストリート』(73)で、76年には『タクシー・ドライバー』(カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞)、80年に『レイジング・ブル』と映画史に残る傑作を発表。90年の『グッドフェローズ』も高く評価される。02年の『ギャング・オブ・ニューヨーク』からはレオナルド・ディカプリオと組み、数々の話題作を発表。また、デ・ニーロと久しぶりに組んだ『アイリッシュマン』(19)も高い評価を受ける。これまで9回、アカデミー監督賞候補となり、『ディパーテッド』(06)で受賞している。音楽ドキュメンタリーも数多く手掛けており、70年代の金字塔的なコンサート映画『ラスト・ワルツ』(78)、『ボブ・ディラン ノ―・ディレクション・ホーム』(05)、『ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト』(08)、『ジョージ・ハリソン/リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド』(11)等を監督している。

ロン・ハワード/製作総指揮
Ron Howard

 1954年オクラホマ生まれ。子役俳優として芸能界に入り、『アメリカン・グラフィティ』(73)に出演。南カリフォルニア大学映画科で学び、『バニシングIN TURBO』(76)で監督デビュー。その後、『コクーン』(85)、『バックマン家の人々』(89)、『バックドラフト』(91)といったヒット作・話題作を作り、『アポロ13』(95)はアカデミー賞9部門にノミネート。『ビューティフル・マインド』(91)でアカデミー作品賞・監督賞などを受賞。『フロスト×ニクソン』(08)でも再びオスカーの作品賞候補となる。また、ベストセラーの映画化『ダ・ヴィンチ・コード』(06)や『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(18)といった大ヒット作も監督。音楽ドキュメンタリーは『メイド・イン・アメリカ』(13)、『ザ・ビートルズ~EIGHTDAYS A WEEK-The Touring Years』(16)、『パヴァロッティ 太陽のテノール』(19)などを監督。86年にブライアン・グレイザーと組んでイマジン・エンタテインメントを設立。18年からはドキュメンタリー部門も立ち上げる。

ブライアン・グレイザー/製作総指揮
Brian Grazer

 53年ロサンゼルス生まれ。南カリフォルニア大学映画科卒業。ロン・ハワードとは彼の初期の監督作品『ラブINニューヨーク』(82)や『スプラッシュ』(84)から製作者となり、『アポロ13』(95)や『ビューティフル・マインド』(01)等の代表作も製作。86年からはハワードと組んで、イマジン・エンタテインメントを設立。ハワードの作品以外のグレイザーのイマジン・エンタテインメントでの製作作品には、『8 Mile』(02)、『インサイドマン』(06)、『アメリカン・ギャングスター』(07)、『チェンジリング』(08)、『J・エドガー』(11)、『バリー・シール アメリカをはめた男』(17)等がある。また、人気アニメ「シンプソンズ」(98~)のいくつかの挿話に声優として出演。“ハリウッド・ウォーク・オブ・フェイム”にも名前を刻まれている。

ピーター・レイモント/製作総指揮
Peter Raymont

 カナダを拠点にするホワイト・パイン・ピクチャーズを40年以上に渡って運営してきたプロデューサー、監督で、数々の賞も受賞している。日本で公開された作品としては、人気ピアニスト、グレン・グールドを描いた『グレン・グールド 天才ピアニストの愛と孤独』(09)があり、レイモントとミシェル・オゼが監督。ジェミニ賞の最優秀評伝ドキュメンタリー賞を受賞。また、88年の監督作、“The World is Watching”でシカゴ映画祭最優秀ドキュメンタリー賞を受賞。元PKO部隊司令官がルワンダ虐殺について語る戦争ドキュメンタリーの監督作“Shake Hands with the Devil”(04)はエミー賞の最優秀ドキュメンタリー賞、サンダンス映画祭のドキュメンタリー部門観客賞も受賞している。作家、人権活動家のアリエル・ドーフマンを描いた”A Promise to the Dead”(11)も高い評価を受ける。今後、自身の会社では作家マーガレット・アトウッドと彼女のパートナーである作家のグレアム・ギブソンに関するドキュメンタリーも製作予定。